鍼灸おもしろ事典7回目です。
[にっき]
今日は東洋医学で用いる「長さ」について話しましょう。
皆さんご存知のように現在、一般に用いられている長さの単位はセンチやメートルですね。
ところが東洋医学では、鍼の長さやつぼの位置を示すのに、寸や尺という単位がよく用いられます。
これは尺貫法という単位の一つです。
日本古来の長さの単位で50年ほど前までは一般に使われていましたが、1966年にメートル法が完全実施されたため姿を消した単位なんです。
鍼灸の世界では、例えば鍼の長さを示すのに寸6とか寸3と表現します。これは1寸6分、1寸3分のことで、センチに換算すると寸6は約5センチ、寸3は約4センチとなります。つまり3分は約1センチ、1寸は約6センチなのです。
身体にある経穴(ツボ)の位置を示す場合も、例えば三陰交と言うツボは内(うちくるぶし)の情報3寸、とか、天枢は臍(へそ)の外二寸と表します。 これはメートル法で示せば3寸は約9センチ、2寸は約6センチとなります。
でもこうした固定的な表現ではいろいろと困ることがあります。それは小児でも大人でも、また身長のある人でも、ない人でも同じとなり、つぼの位置が人によって違ってしまうからです。
そこで東洋医学では大変合理的な方法で、この寸と尺の長さを示すことになっています。それはツボをとる対象となる人の、身体の特定部分を、その人の長さの基準とする方法です。例えば手の親指の最も幅の広い部分を1寸としたり、一刺し指から小指までの4本の指をそろえた長さを3寸とするなどです。
こうすることにより、小児は短く、大人は長くなり、だれでも正確にツボの位置を示すことが可能になるのです。
これはなかなかよくできていると思いませんか。更に付け加えれば、男は左の手の親指、女性は右の手の親指を使います。どうしてかって、それは以前、鍼灸おもしろ事典で触れた陰陽の理論によるものです。 ちょっと難しい話になったかもしれませんが、なかなかおもしろいと思いませんか。
では今日はここまでとします。



